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2009 年度 実績報告書

Glioma stem cellの"stemness"維持に関わる遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20790245
研究機関山形大学

研究代表者

砂山 潤  山形大学, 医学部, 助教 (80466606)

キーワードglioma / stemness
研究概要

本研究を開始するにあたり、まず最初にグリオーマ幹細胞の選択的培養を試みた。無血清培地にEGF,FGF2,B27supplementを添加した幹細胞培養条件にて培養を行ったところ、グリオーマ細胞株の中に培養プレートに接着せず球形の細胞塊(tumor sphere)を形成するものの存在が確認された。さらにこのようなtumor sphereを構成する細胞について幹細胞マーカーの発現を検討したところ、幹細胞培養状態で幹細胞マーカーの発現亢進が認められた。また、幹細胞培養法で選択的に増幅したグリオーマ細胞は血清を含む培地で培養した同種の細胞よりも造腫瘍能が亢進ていることも確認できた。
次にこのような幹細胞培養条件下で維持増幅されるグリオーマ幹細胞の維持増殖に関わる分子の探索を行った。細胞内機能性分子に対する阻害剤等を用いて種々の検討を行ったところ、tumor sphereの形成を抑制する薬剤の存在が明らかとなった。Tumor sphere形成の抑制が単なる増殖・生存抑制によるものか、あるいは幹細胞性そのものの抑制によるものかを検討するため幹細胞マーカー発現についても調べてみたところ、この薬剤により幹細胞マーカー発現も抑制されることが確認できた。これらの結果はこの薬剤の標的分子がグリオーマ幹細胞の幹細胞性維持に関わっている可能性を示唆するものである。次いでこの薬剤で予め処理したグリオーマ幹細胞をヌードマウスに移植したところ、明らかに造腫瘍能の低下が認められた。これらの結果から、本研究で見いだしたこの薬剤はグリオーマ幹細胞の機能阻害を通じて腫瘍形成を抑制する効果をもち、将来有効なグリオーマ治療法となる可能性があるものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Regulation of neural stem/progenitor cell maintenance by PI3K and mTOR2010

    • 著者名/発表者名
      Sato A, et al.
    • 雑誌名

      Neurosci Lett 470

      ページ: 115-120

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of rapamycin(mTOR inhibitor)and LY294002(PI3K inhibitor)on glioblastoma stem-like cells2009

    • 著者名/発表者名
      Sunayama J, et al.
    • 学会等名
      第68回日本癌学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-10-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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