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2009 年度 実績報告書

神経芽腫モデルマウスを用いたミッドカイン標的治療の評価と更なる治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20790251
研究機関名古屋大学

研究代表者

岸田 聡  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20402563)

キーワード神経芽腫 / MYCN / Midkine / トランスジェニックマウス / 分子標的治療
研究概要

1. MYCNによるMidkine発現誘導の検討
MYCNは、Midkineのプロモーター領域を組み込んだレポータープラスミドの発現を誘導した。従って、MidkineはMYCNの標的遺伝子の一つであると考えられる。Midkineのプロモーター領域にはいくつかのE-boxが存在するが、そのうちヒトとマウスで保存されているのは一つだけであった。しがしそのE-boxに変異を導入したレポーターではMYCNによる転写誘導は損なわれていなかった。従って保存されてはいないE-boxを介して、MYCNが結合していると考えられる。
2. Midkine下流因子の同定・機能解析
Midkineによって発現が抑制される可能性のある候補遺伝子について、抗体を作成して発現解析を行った。発がん初期で、正常な神経節細胞とがん細胞が含まれている交感神経節を用いて免疫染色を行ったところ、この遺伝子は正常な神経節細胞でのみ発現していた。腫瘍抑制遺伝子として働いている可能性が考えられる。
3. Midkineを標的とした治療実験
皮下への自家移植のモデルを用いて、抗Midkine抗体を腹腔内投与することによるMidkine標的治療の効果を検討した。その結果、低容量のシスプラチン投与との間で相加的な腫瘍増大抑制効果を示した。腫瘍細胞から血中に分泌されたMidkineを標的とする治療に一定の効果があることが示唆された。
4. DNAマイクロアレイ解析による新規神経芽腫関連因子の探索
DNAマイクロアレイ解析により、神経芽腫の発生に伴って発現が増加、あるいは減少する遺伝子を網羅的に同定している。これらの遺伝子群の中には、腫瘍の発生と進展に関わる新規因子が含まれていると考えられる。今後、発現が増加していたいくつかの転写因子をピックアップし、神経芽腫の発生に関与している可能性を検討していく必要なある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Transforming growth factor-β1 upregulates keratan sulfate and chondroitin sulfate biosynthesis in microglias after brain injury2009

    • 著者名/発表者名
      Jiarong Yin
    • 雑誌名

      Brain Research 1263

      ページ: 10-22

    • 査読あり
  • [学会発表] MYCN Tgマウスを用いたCGH及び発現アレイ解析による神経芽腫発生制御因子の探索2009

    • 著者名/発表者名
      岸田聡
    • 学会等名
      第25回日本小児がん学会
    • 発表場所
      東京ベイホテル東急
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] Genome-wide screen with CGH and gene expression array to identify novel factors involved in murine neuroblastoma model2009

    • 著者名/発表者名
      岸田聡
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-10-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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