転写因子Nrf1の肝臓特異的ノックアウトが脂肪肝をもたらすメカニズムを知るには、Nrf1の細胞内における機能の解明が必須である。まず、293T細胞にNrf1を過剰発現させて免疫沈降したサンプルを質量分析機で解析することによって、Nrf1結合タンパク質を網羅的に同定した。これらのうち、E3ユビキチンリガーゼβ-TrCP2に着目してさらなる生化学的・分子生物学的解析を行なった。その結果、β-TrCP2のノックダウンによりNrf1タンパク質が安定化することを見出し、β-TrCP2がNrf1の核内での分解に関与していることを明らかにした。
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