研究概要 |
本研究では、ヒト肝がん細胞株Huh7のside population(SP)において発現上昇が報告されたepidermal growth factor(EGF)ファミリーの膜貫通型増殖因子Amphiregulin(AREG)、及び同ファミリーに属するheparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF)に着目し、両因子がSPの細胞周期制御に果たす役割の解明を目的としている。 本年度、Huh7をHoechst33342で染色し、ベックマン社製セルソーターepics altraを用いて蛍光強度の低い細胞集団(side population)の採取を試みた。同時にmain population(MP)をコントロールとして採取した。回収した細胞集団全体よりRNAを抽出し、RT-PCR解析によって、SP分画に高発現しているとされる遺伝子群(AREG、ABCトランスポーターであるBCRP1, MDR1)の発現が確認できた。 ただし、epics altraは細胞の分離速度など、FACSとしての性能に限界があり、SP単離の条件検討に時間を要した。本年度は愛媛大学に新たに導入されたベクトン社製FACS Ariaを使用することによって実験条件の改善を試みる。(1) AREG高発現SP, (2) AREG低発現SP, (3) MP(non-SP)に発現する遺伝子群をDNAマイクロアレイ解析する予定である。
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