本研究は、平成20年度に『マウスおよびラットGFPTg精子幹細胞の樹立』と『GFPTg精子幹細胞へのRNAiコンストラクト導入とその安定発現株の樹立』、平成21年度に『樹立したRNAi導入精子幹細胞の精子細胞除去精巣への移植と子孫の作製』及び『RNAi導入精子幹細胞由来子孫の性状解析』を行うことを計画し、遂行した。 平成21年度で得られた結果をもとに、レンチウイルスを用いたRNAi導入によるGFPノックダウンマウスの作成を試みた。GFP発現精子幹細胞へGFPノックダウンRNAiをレンチウイルスにより導入したところ、優位にGFP発現が抑制されたものの、GFPの蛍光が完全に消去された精子幹細胞株を得ることができなかった。そこで、レンチウイルスよりもさらに強力にRNAiを導入するべく、トランスポゾン『PiggyBac』を用いた新規遺伝子導入法に着目した。まず、精子幹細胞に前述の遺伝子導入法が有効か否かを検討すべく、野生型精子幹細胞へのGFP発現ベクターがPiggyBac法により導入可能かを検討した。結果、安全且つ簡便なリポフェクション法との組み合わせにより遺伝子導入が可能であることを明らかにした。そこで、GFPに対するRNAi発現コンストラクトをPiggyBacベクターヘ組み換え、その効果を検討中である。
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