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2008 年度 実績報告書

LKB1欠失による肝癌発症の分子機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790304
研究機関京都大学

研究代表者

出口 敦子  京都大学, 医学研究科, 研究員 (10422932)

キーワード癌 / シグナル伝達 / 肝細胞癌 / LKB1 / キナーゼ
研究概要

(1)LKB1欠失によるc-Junの発現上昇の機序解析
LKB1欠失によるc-Junの発現上昇の機序をヒト大腸癌HCT116細胞にLKB1に対する特異的siRNAを用いて解析を行った。その結果、LKB1を特異的siRNAによりLKB1をノックダウンした細胞では、c-Junの発現量が上昇していることがわかった。また、c-Junと相互作用のあるGSK3βのリン酸化がLKB1ノックダウン細胞で上昇していることから、LKB1のノックダウンは、GSK3βの活性を抑制することが示唆された。さらに、野生型LKB1をLKb1-/-繊維芽細胞に人為的に誘導させるとGSK3βのリン酸化が低下した。このことからLKB1がGSK3βの活性を制御し、その結果c-Junタンパク質を安定化させることにより、転写非依存的にc-Junの発現を抑制していることが示唆された。
(2)LKB1欠失により出現する肝臓の未分化細胞の解析
Prominin-1陽性は肝臓において未分化細胞マーカーであることが示唆されている。LKb1^<+/->マウスの前癌病変でProminin-1に陽性であることから、免疫不全マウス(NOD/SCID)に前癌病変を移植したところ、前癌病変でも移植可能であることがわかった。また移植病変部の組織像をHE染色により観察すると、前癌病変の特徴を保持していることが確認された。
(3)LKB1標的因子の解析
LKb1^<+/->マウスで発症する前癌病変、肝細胞癌では、正常肝臓で認められる索状構造が失われており、LKB1は細胞極性、細胞骨格、細胞の運動性に何らかの役割を持つ可能性が示唆されている。細胞運動性、細胞増殖に重要な役割を果たすことが知られているPAK1シグナル伝達経路をLKB1が抑制している可能性を示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Activation of protein kinase G Increases the expression of p21CIP1, p27KIP1, and histidine triad protein 1 through Sp12008

    • 著者名/発表者名
      Cen B, et.al.
    • 雑誌名

      Cancer Research 68

      ページ: 5355-5562

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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