セリン・スレオニンキナーゼをコードするLKB1遺伝子はPeutz-Jeghers症候群(PJS)の原因遺伝子として同定されたが、散発性の癌においても、LKB1遺伝子の変異が報告されていることから、癌抑制遺伝子であることが強く示唆されている。Lkb1遺伝子ノックアウトマウスは50週齢以降、肝細胞癌(HCC)を発症する。本研究では、LKB1欠失によるc-Junの発現の上昇が肝癌発症に関与する可能性を示唆した。さらに、LKB1の新たな癌抑制機能として、細胞運動性、細胞増殖に重要な役割を果たすことが知られているPAK1シグナル伝達経路をLKB1が抑制していることを示した。
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