研究課題
若手研究(B)
神経発達障害仮説に基づいた統合失調症動物モデルである幼若期腹側海馬(neonatal ventral hippocampal ; NVH)障害ラットを作製し、統合失調症の危険因子として報告されているニューレグリン-1(NRG-1)及びその受容体の一つであるerbB4受容体の変化をラットの前頭前皮質をターゲットにし検討を行った。その結果、前頭前皮質のNRG-1レベルはNVH障害ラットの思春期後に減少していた。erbB4受容体レベルの変化は認められなかったがerbB4受容体チロシンキナーゼのリン酸化はNVH障害ラットの思春期後に減少していた。またNVH障害ラットは認知障害を思春期後に示す。そのラットの前頭前皮質へNRG-1を投与したところ認知障害を改善した。従って、NVH障害ラットの認知障害にはerbB4シグナリングの低下が関与し、NRG-1/erbB4受容体シグナリングの調節因子が統合失調症の新たな治療ターゲットとなる可能性を示唆した。
すべて 2010 2008 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Behav Brain Res 208
ページ: 224-230
Psychopharmacology 208
ページ: 323-331
http://www.tohoku-pharm.ac.jp/laboratory/yakuri/index.html