研究課題
本年度は2つの骨髄内骨髄移植実験を行った。まず(1)GFPマウスをドナーとしてSAMP10マウスに骨髄内骨髄移植を施し、ドナー由来細胞が脳や全身のどの細胞に分化するかを移植1ヵ月後で調べた。また、移植4ヵ月後のサンプルを作製した。次に、(2)SAMR1マウスをドナーとして8ヶ月齢のSAMP10マウスに骨髄内骨髄移植を施し、SAMP10マウスの加齢性神経変性が治療できるかを調べるために移植SAMP10マウスを作製し、14ヶ月齢まで飼育した。(1) GFPマウスをドナーとしてSAMP10マウスに骨髄内骨髄移植した実験(移植1ヶ月後)・レシピエントマウスに照射する放射線は、4.5Gyを2回当てる条件がよいことがわかった。・骨髄内骨髄移植後、ドナー由来細胞は全身の血球系細胞のみならず、小腸の幹細胞、筋肉のサテライト細胞などにも分化したようだった。幹細胞への置換は予想外であったので、脳だけでなく全身の組織解析を行うことにした。・GFP陽性細胞は脳内に浸潤し、少なくともミクログリアには分化した。(2) SAMR1マウスをドナーとし8ヶ月齢のSAMP10マウスに骨髄内骨髄移植した実験・免疫染色にて細胞の由来を同定しようと試みたが、H2K抗原(MHC classI抗原)では同定できないことがわかった(脳内の細胞は発現が低いこと、抗体の非特異的反応が起こることが原因)。ドナー由来の細胞を同定するためには、GFPマウスをドナーにすべきと判断した。・14ヶ月齢になると加齢により泳げなくなり、水迷路実験は困難であった。このため、次回は8-10ヶ月齢で水迷路実験を行うことにした。
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