重症マラリアの合併症として重要な貧血に関わると推察される宿主因子であるスカベンジャーレセプターについて、class Aに属する3種類を標的に強制発現細胞の作成を行った。本研究年度についてはScavenger receptor-AおよびMARCOについて強制発現細胞の作製ならびに分子内変異株の作製を行った。その結果、MARCOもSR-A同様熱帯熱マラリア原虫感染赤血球との接着を認めた。また、分子内変異株の作製とそれに対するマラリア原虫感染赤血球との接着試験結果より、SR-AとMARCOでは類似の分子構造にもかかわらず分子内の接着部位が異なることが明らかとなった。以上のことから、class Aスカベンジャーレセプターは、マラリア原虫感染赤血球に対する宿主側の受容体として機能することが推察でき、重ねて重症マラリアにおける貧血との関連が強く推察できた。
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