我が国において、Aspergillus属菌(主にA.fumigatus)が起因菌であるアスペルギルス症は増大の一途をたどっている。A.fumigatusを初めとする糸状菌-宿主相互作用の研究は途上にあり、未解明の部分が多く残されている。さらにAspergillus属菌はその生育過程において、分生子から膨化分生子、そして菌糸へと形態を変える。 その形態と共に表面構造も変化することが知られている。しかしながらこのような形態変化を考慮に入れた研究は非常に少ない。真菌と宿主の相互作用について分子レベルで解明することにより、いまだ不明な部分が多いアスペルギルス症成立の機序を明らかとするだけでなく、治療・創薬への応用が期待される。そこで本研究課題では、A.fumigatus各形態と結合する宿主因子の探索・同定・機能解析を目的として研究を進めている。
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