研究課題
シグナル伝達物質cyclic-di-GMPと類似のcyclic-di-AMPの菌体内濃度の測定cyclic(c)-di-GMPの菌体外での生合成ができなかったため、菌体内から回収してターゲットの探索に使用する可能性を考慮し、菌体内の低分子核酸の分析を行った。黄色ブドウ球菌野生株5株およびc-di-GMP合成遺伝子欠失株との比較分析を行ったがピークは検出できなかった。類似構造を持つc-di-AMPについては分画脱塩濃縮サンプルにおいて標品と重なるピークが検出されたが、近傍のピークとの分離が難しく、質量分析などには至らなかった。c-di-GMP合成遺伝子およびc-di-AMP合成遺伝子の過剰発現株の作製菌体内での濃度の測定が困難であったことおよびc-di-AMP合成遺伝子については必須遺伝子である可能性が示唆されたため、プラスミドベクターによる過剰産生株を作成しその表現系の観察および菌体内核酸の測定を行った。c-di-GMP合成遺伝子のmRNA量は50倍前後増加したものの菌体内c-di-GMPは検出できず、c-di-AMP合成遺伝子は同じベクターを利用したにも関わらず発現量も増加しなかった。菌体内でこれらの発現は厳密にコントロールされている可能性が示唆された。臨床分離株の解析名古屋大学医学部付属病院検査部と連携しカテーテル関連感染症から分離されたブドウ球菌を計26株収集しバイオフイルム産生量およびその構成成分について検討した。バイオフィルム産生量は健常人から分離された菌株と平均量では変わらず、個々の菌株間の差が大きかった。菌体外DNA、タンパク質、多糖体などバイオフィルム構成成分については菌種や由来に寄らず、菌株ごとにその成分に偏りがあった。また環境因子として、CO2はバイオフィルム誘導の一因であることがわかった。黄色ブドウ球菌でのc-di-GMP生合成遺伝子発現量は菌株間で変化がなかった。
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