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2008 年度 実績報告書

ウイルスを認識し抑制する新規分子群の単離とその機能

研究課題

研究課題/領域番号 20790364
研究機関北海道大学

研究代表者

押海 裕之  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (50379103)

キーワードインターフェロン / ウイルス / RIG-I / RNA / 免疫 / 自然免疫 / ユビキチン / 遺伝病
研究概要

C型肝炎ウイルスや鳥インフルエンザなど、ウイルスによる感染症問題はその解決が社会的に要請される重要な問題である。これらウイルス感染の抑制にはヒトのI型インターフェロン(IFN)応答が重要である。近年、このIFN応答の分子基盤が明らかになりつつあり、ウイルスによる感染症対策の為の重要な基礎基盤が確立されつつある。しかし、その全貌はまだ明らかになっていない。本研究では、ヒトのIFN応答に関わる分子群の探索を行い、酵母のTwo-hybrid法によるスクリーニングによって、ヒトの肺のcDNAライブラリー中から、新たにRipletと申請者が名付けた分子を単離した。RipletはRNAウイルス感染時にそのRNAを認識する細胞質内受容体のRIG-I分子と結合すること、また、結合することによりRIG-I分子をユビキチン化することで、RIG-I分子を活性化することを明らかにした。Ripletを過剰発現させると、水泡性口内炎ウイルス(VSV)感染時のIFN応答が増強されうこと、またRiplet遺伝子の発現をsiRNAを用いて減少させるとIFN応答が減少したことから、Riplet分子がウイルス感染時にIFN応答においてRIG-Iを活性化させることで、IFN産生のシグナルを増強することを解明した。
RIG-IはC型肝炎ウイルスやインフルエンザの認識に関わることから、本研究で明らかにしたRiplet分子が、これらC型肝炎ウイルスやインフルエンザの感染時の工FN応答に関与することが期待され今後の研究が進展することが期待される。また、現在、Ripletノックアウトマウスを作成している。ヒトでは最近になって、Ripletは遺伝病の原因遺伝子として同定され、ヘテロ欠損で発達や学習能力に異常がでることが知られている。現在作成中であるRipletノックアウトマウスも、90%程度の効率のキメラ率を持つマウスは同腹の個体と比較し発達に異常が観られることから、Ripletノックアウトマウスが、ウイルス感染時のIFN応答に加えて、ヒト遺伝病のモデルマウスとなることが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Riplet/RNA135, a RING Finger Protein, Ubiquitinates RIG-I to promote Interferon-β induction during the Early Phase of Viral Infection2009

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Oshiumi
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemisitry 284

      ページ: 807-817

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Teleost TLR22 recognizes RNA duplex to induce IFN and protect cells from birnaviruses2008

    • 著者名/発表者名
      Aya Matsuo
    • 雑誌名

      Journal of immunology 181

      ページ: 347-385

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulator of complement activation (RCA)gene cluster in Xenopus tropi cails2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Oshiumi
    • 雑誌名

      Immunogenetics (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] RNAヘリケースのDDX3はウイルス感染時のIPS-1分子に依存したI型インターフェロン産生に関与する2008

    • 著者名/発表者名
      押海裕之
    • 学会等名
      日本免疫学会
    • 発表場所
      京都国立京都国際会館
    • 年月日
      2008-12-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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