• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

NO消去機能を賦与した活性酸素消去酵素のDDS開発と敗血症性ショック治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20790402
研究機関京都薬科大学

研究代表者

勝見 英正  京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30434666)

キーワード薬学 / 薬物送達システム / 一酸化窒素 / 敗血症 / polyethylene glycol / 牛血清アルブミン / 活性酸素消去酵素 / 高分子
研究概要

本研究では、複合的にメディエーターを阻害することによる新たな敗血症性ショック治療戦略の構築を目指して、本疾患時に過剰産生される一酸化窒素(NO)と活性酸素種を同時に効率よく消去するハイブリッド型治療薬の創製を試みている。すなわち、生体内に存在するタンパク質のSH基はNOと反応し、S-nitrosothiolを生成することで、NOのリザーバーとして機能している報告があることから、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの活性酸素消去酵素にSH基を化学的に多数導入することによるNO消去機能を賦与した活性酸素消去酵素の作成を試みている。
平成20年度では、まず、NOを効率よく消去することによる敗血症性ショック治療を目指して、モデルタンパク質として、牛血清アルブミン(BSA)を選択し、多数のSH基と体内動態制御を目的とした機能性分子を導入したSH基結合体の作成を試みた。BSAに多数のSH基を導入する際、予めBSAにpolyethyleneglycol(PEG)を導入することで、SH基導入時の凝集を防止するとともに、血中滞留性の向上を計画した。PEG-BSAにN-succinimidyl S-acetylthioacetate(SATA)を結合させることで遊離SH基を導入したPEG-BSA-SHを合成した。SH基の導入数はBSA 1分子あたり約10個であり、多数のSH基導入に成功した。PEG-BSA-SHのNO消去能を評価することを目的として、緩衝液中で、NO供与体であるNOC7から放出されるNOとの反応性について評価したところ、PEG-BSA-SHは、低分子SHであるグルタチオンと比較して、高い反応性を示した。さらに、マウス静脈内投与後のPEG-BSA-SATAは、計画通り高い血中滞留性を示し、循環血中のNO消去に有利な体内動態特性を示すことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 還元型高分子チオールによる劇症肝炎抑制機構の解明2009

    • 著者名/発表者名
      勝見英正、西山和志、岡本陽香、廣埼力也、坂根稔康、西川元也、山本昌
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] 劇症肝炎治療を目的とした新規多価還元型チオールの開発2008

    • 著者名/発表者名
      勝見英正、西山和志、岡本陽香、水口寛規、廣崎力也、水山朋美、西川元也、山本昌
    • 学会等名
      第61回日本酸化ストレス学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-06-20
  • [学会発表] 劇症肝炎治療を目的とした新規還元型高分子チオールの開発2008

    • 著者名/発表者名
      西山和志、勝見英正、水口寛規、岡本陽香、西川元也、山本昌
    • 学会等名
      日本薬剤学会第23年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-05-20

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi