本研究では既存のタイピング済み遺伝子データとコホートのベースラインおよび追跡データを結合し、循環器疾患及びその危険因子と関連する遺伝子変異について検討した。循環器疾患のリスクマーカーの一つであるC反応性タンパク(CRP)と関連を示す一塩基変異(SNP)rs1205について検討を行った。血中のCRP濃度が高い群では動脈硬化のsurrogate markerである脈波伝播速度(baPWV)も高い傾向を示し、これは遺伝型で層別しても同様の傾向であった。またCRP濃度とSNP rs1205は強い関連を示した(p=0.004)。しかしCRP濃度が高い遺伝型はほかの遺伝型と比べてbaPWVが低い傾向を認めた(p=0.03)。この結果について循環器疾患の発症や死亡等の縦断調査での検討や異なった集団でのさらなる確認が必要である。
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