本研究では、食環境での曝露が想定される食品中の残留農薬の若齢期曝露が、アレルギー疾患、特にアトピー性皮膚炎とアレルギー性気管支喘息に与える影響を各々の病態動物モデルを用いて評価することを目的とした。その結果、若齢期における農薬の経口曝露は、アトピー性皮膚炎に対しては、雌雄共に明確な影響を示さなかった。一方、アレルギー性気管支喘息モデルでは、ある種の農薬が気道炎症を増悪することが明らかとなった。また、この増悪影響には性差が認められた。以上より、若齢期における農薬曝露の影響には、アレルギー疾患の種類、および性差によって相違がある可能性が考えられた。
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