平成21年度9肩より、開発した本プログラムを3施設(産科外来)にて導入、実施し、効果評価をおこなった。本プログラムは、2つのプログラムを併用して開発した。1つは、カウンセリングによる禁煙支援(以下ふれあい禁煙ラーニング)であり、ニコチン依存度テスト(FTNDテスト)、禁煙のコツおよびハウツー、呼気中CO濃度測定等、同居家族内の禁煙協力者の選定などで構成している。もう1つは、携帯電話プログラムサイトを利用した禁煙支援(以下禁煙Eチャレンジプログラム)である。 対象者は、妊娠22週未満の禁煙を希望する妊娠初期の妊婦で、携帯電話を所持し研究協力得られる女性で、現在52名の参加が得られており、フォローアップ中である。支援期間は3ヶ月間であり、支援内容は、カウンセリングおよび呼気中CO濃度測定などを実施し、禁煙動機を高めさせ、自己効力感の向上に努める。さらに禁煙継続に障害を及ぼしている因子があれば解決策を考えるものである。支援は、初回面接時、禁煙後1ヶ月、2ヶ月、3ヵ月時の、定期妊婦健診時にふれあい禁煙ラーニングを実施している。 禁煙eチャレンジプログラムは、禁煙開始目前日、当日、禁煙継続中にアクセス可能なものとし、禁煙のコツ、およびニコチン離脱症状への緩和方法、メールによりカウンセリングを実施し、禁煙をまさに実施しているときに生じる不安や疑問などに対応できうるような体制をとり、支援している。 この結果、52名の参加者のうち禁煙達成者は、37名(禁煙G)、節煙行動を継続したものが11名(節煙G)であった。妊娠前後の喫煙本数の経時的変化については、禁煙開始前から禁煙開始後3ヶ月の禁煙Gと節煙Gの喫煙については、妊娠前の1日の喫煙本数は、禁煙Gは平均21.0±9.9本、節煙Gは28.2±8.3本で、妊娠の妊娠判明後(Eチャレンジ参加前)の喫煙本数は、禁煙G9.0±4.1本、節煙G13.0±5.3本と減らしていたが、禁煙に至っていなかった。しかし、禁煙Gの方が節煙Gと比較し妊娠前も妊娠判明後も喫煙本数は有意に少なかった(P<0.05)。節煙Gは、妊娠前から妊娠判明までに1日平均23.2±8.8本の喫煙本数を減らしていた。節煙Gにおける1日喫煙本数は、Eチャレンジ開始からプログラム終了時までに大半(8/11)が1日5本以下に減らしていた。
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