研究概要 |
平成21年は、集計したデータをもとに、摂取栄養素量の推定モデルの最適化を行った。当初設定する選択肢の頻度のバラつきや、適当でない場合が多数出たため、見積もったデータ数180に到達しない146人のデータしか利用できず、統計的妥当性を持たせることに困難が生じた。また、被験者が普段の日常ではおきないような特別な食事を摂取した特異日とも重なってしまい、調査データの有効回答率を下げた。食事記録の対象者数を増やすことを検討している。また若年者を大学生以外にも広げる必要があることがわかった。頻度調査は連続しない複数の日で実施する必要があり、データ収集のための調査を平成21年度中に5日間(各日3日間の記録)実施したが、対象日数をさらに拡大する必要が出てきた。 実際の栄養素等摂取量の推定式については、暫定的に重回帰式でモデルを算出したが、実際の3日間の秤量記録・24時間記録との関連性が相関係数で0.12程度と予想よりもかなり低く、統計学的に有意な推定モデルの構築ができなかった。単純な線型モデルで精度の高い推定が不可能な可能性があり。平成20年と21年で得られたデータから重回帰モデル(general linear regression model)にこだわらず、PLS (partial least square)やOLS等のアルゴリズムを採用しなければならいないことがわかり、これらのモデルについて検討を重ねた。PLS, OLS単独では有意な推定式を得られなかった。 ソフトウェア上の画面の案内や、対象者の感想から、画面で食品を黙視することで、紙媒体よりもより積極的に調査をうけることができる可能性が示唆され、又、よりわかりやすいガイダンスが必要であることもわかった。検査最中に、全体のどれくらいの経過位置にあるかを示すインデックスのようなものや、途中で中止した後で、簡単に再開できるようなボタンを追加すべきと言う意見が得られた。 さらに、大学生以外からのデータ収集について検討しているが、予算的な制約があり実現できていない。大学生に特化することで当初の研究目標であった「若年層」やより広い年齢層を目標とすることが出来ない可能性がある。平成21年は今回の研究対象を大学生以外にも広げるために連絡調整を行った。
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