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2009 年度 実績報告書

バングラデシュにおけるコレラ流行と気候変動に関する疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 20790441
研究機関長崎大学

研究代表者

橋爪 真弘  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30448500)

キーワード気候変動 / コレラ / 疫学 / 時系列分析 / インド洋ダイポールモード / 大気海洋相互作用 / 感染症 / バングラデシュ
研究概要

インド洋熱帯域の海面水温の異常変動「ダイポールモード現象」による多雨およびベンガル湾海面水位の上昇がバングラデシュにおけるコレラ流行に関わっているかを検証するため、今年度はバングラデシュ国際下痢症研究所(ICDDR,B)を訪問し、コレラ患者データを収集した。また研究協力者を通じて「ダイポールモード現象」の指標となるインド洋の海面温度、海面高度、首都ダッカおよびICDDR,Bの人口サーベイランスシステムが整うマトラブにおける地上観測気象データ、主要な河川水位データを収集した。これら気象・水文・海洋、コレラ患者データを統合したデータベースを構築し、時系列解析を行った。その結果、「ダイポールモード現象」とコレラ患者数の関連はダッカ(都市部)およびマトラブ(地方)でラグタイムにより異なる関連があることが明らかになった。具体的には、ダッカにおいては、過去3ヶ月間の平均ダイポールモードインデックス(DMI)とコレラ患者数は正の関連を示し、過去4-7ヶ月間の平均DMIとは有意な負の関連を示した。マトラブにおいては、過去3ヶ月間の平均ダイポールモードインデックス(DMI)とコレラ患者数は正の関連を示したが、過去4-7ヶ月間の平均DMIとは関連を認めなかった。また、ベンガル湾海面水温および海面高度が一定の値以上になるとコレラ患者数が増加することが明らかとなった。これらの成果は気象データを用いたコレラ早期警戒システムの構築に向けた基礎的データとなることが期待される。来年度はこれらの研究成果を国際学会で発表するとともに、国際誌に投稿する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Climatic components of seasoal variation : cholera incidence in Dhaka, Bangladesh.2010

    • 著者名/発表者名
      M.Hashizume
    • 雑誌名

      Epidemiology (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] インド洋の大気海洋相互作用現象とバングラデシュにおけるコレラ流行の関連2009

    • 著者名/発表者名
      橋爪真弘, A.S.G.Faruque, Terao Toru, MD Yunus, Kim Streatfield
    • 学会等名
      第50回日本熱帯医学会大会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
    • 年月日
      20091022-20091023

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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