2007年11月から2008年2月に実施済みの沖縄県宜野湾市在住の超高齢者197人を対象とした生活習慣および血清中栄養素に関する調査(Linus Pauling Institute at Oregon State Universityからの研究助成金による)をベースラインとし、身体的機能や認知機能調査の第2回目フォローアップ調査を2009年11月から2010年3月に実施した。ベースライン調査および2008年度フォローアップ調査に参加した137人(男性36人、女性101人)のうち、2009年度フォローアップ調査に参加した人は101人(男性29人、女性72人)であった。 今回解析対象となった101人のベースライン時における血漿ホモシステイン濃度は男性12.5±5.1umol/L、女性11.0±5.0であり、血漿ホモシステイン濃度が高い人は男性20.7%、女性29.2%であった(基準値:男性>16.9umol/L、女性>12.2umol/L)。ベースライン時のMini-Mental State Examination (MMSE)スコアから2年後のスコアが2点以上低下した場合を認知機能低下とすると、ホモシステイン濃度が基準内のグループ(標準群)に対する高いグループ(高ホモシステイン血症群)の認知機能低下の粗オッズ比は1.85(95%CI:0.67-5.10)、性、年齢調整済みオッズ比は1.76(95%CI:0.63-4.89)であった。ホモシステイン濃度が高いグループは認知機能が低下しやすい傾向にあったが、有意な関連は見られなかった。解析対象者が101人と少ないため、統計的検出力が低かったことも原因としてあげられる。検出力0.8を得るためには約250人の対象者が必要である。
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