研究課題
本研究は、近年課題になっている医療機関の勤務医の過重労働において、睡眠の質と活動量が疲労に及ぼす影響について調査をすることで勤務医の労働環境の実態を把握し、ひいては、疲労を蓄積させない勤務体系の構築といった予防対策を講じることを目的としている。勤務医が健康を害した場合には、患者の治療にも影響を与える可能性があるため、対策は急務である。平成21年度においては、質問票を作成し、協力の得られた勤務医を対象にアクチグラフィを用いて日常活動量と睡眠を測定し、また質問票に解答を求めた。アクチグラフィを用いることによって日常活動量と睡眠時間が定量的に測定できる。これらより、特に当直時間やオンコール(自宅待機)の際の睡眠時間が定量化され、疲労との関連について精度の良いデザインを作ることができた。今後さらに論文化を行う予定である。また、昨年度より連動させて研究を行っている、研究代表者も所属している日本医師会「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会」では全国調査を行った。特に当直時間とオンコールの回数とうつの尺度との関連について解析を行ったところ、オンコールとの有意な関連を認めた。これまでオンコールの健康への影響については明らかにされていなかった。オンコールは比較的人数の少ない脳外科や泌尿器科などの医師に多くなる傾向があった。今後は集約化などの可能性も含めてより勤務医の負担を軽減できる施策を考える必要がある。
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総合病院精神医学 (in press)
BMC Public Health (in press)
J Occup Health 51
ページ: 261-266