研究概要 |
看護師における長時間過密労働の最たるものには16時間2交代夜勤があげられる。現在,看護労働では特に8時間3交代勤務から16時間2交代勤務への移行が進んでいる。この変化にともなう慢性疲労状態を8時間3交代夜勤時のそれと比較する事で,長時間過密労働下での慢性疲労回復条件を明らかにすることを目的とした調査を行った。大阪府の地域中核病院の混合病棟において,1か月間の16時間2交代勤務の試行が行われ,その直後に再び元の勤務条件の8時間3交代勤務に戻された。16時間2交代,8時間3交代ともに変更直後の1か月間で調査を行った。16時間2交代勤務の試行には対象病棟の夜勤交代勤務に従事する看護師全22名が参加したが,両条件ともに調査に参加したのは18名であった。調査期間中のそれぞれ1か月間のうち2~4週目の3週間で生活時間調査(勤務,睡眠,食事など13項目)を毎日行い,毎夜勤時に夜勤中を含む夜勤入り日から明けまでの任意の11時点において自覚症状しらべによる主観的な疲労感を測定した。また各調査期間の4週目終了直後にアンケートを配布しで慢性疲労の程度(蓄積疲労徴候調査票;CFSI)とともに,状況要因として年齢,配偶者と未就学児有無,勤続年数などの対象者属性(1回のみ調査)を,特性要因としてマスラックバーンアウトインベントリー(MBI),平日や休日に楽しんで行っている活動の有無など(1回のみ調査)をたずねた。現在,調査が完了しデータ入力を行っている。
|