• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

がん化学療法における認知障害とリスク因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20790455
研究機関国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター)

研究代表者

小川 朝生  独立行政法人国立がん研究センター, 精神腫瘍学開発部, 室長 (10466196)

キーワード疫学 / 老年医学
研究概要

がん化学療法が進歩し、予後が期待できるようになった一方、化学療法後に慢性有害事象である認知機能障害を生じることが報告されている。この認知機能障害は、言語性記憶や視覚性記憶、精神運動速度の低下、実行機能の低下など多岐にわたり、総称して"chemo-brain"と呼ばれる。認知機能障害は、集中困難・抑うつなどの精神心理的苦痛を生じ社会復帰の障害や生活の質(QOL)の低下を生じるため、早期から適切な緩和ケアが提供されることが必要である。しかし、従来化学療法を評価する上で、急性の中枢神経症状である薬剤性白質脳症やせん妄には注意が払われていたものの、慢性的な有害事象は考慮されなかった。この慢性障害の病態を解明し、効果的な介入方法を計画するには、その発生機序や重症度、療養の質の低下の程度を縦断的に調査する必要がある。
そこでわれわれは、さまざまな抗悪性腫瘍薬がまねく認知機能障害と療養生活の質の低下の程度、その機序を検討した。
抗悪性腫瘍薬の投薬前後での脳画像変化および認知機能、療養生活の質を評価するための対象と評価方法、評価時期、目標症例数などパラメータの設定をおこなった。3テスラ強磁場MRI装置と高感度信号検出コイルを用いて、point resolved spectroscqpy (PRESS)法及びスペクトル編集法によりMRS測定を行った。PRESS法にて得られたN-acetylaspartate(NAA)等をLC (linear combination) modelソフトウェアを用いて解析し、creatine(Cr)信号に対する相対濃度をそれぞれ算出した。スペクトル編集法では、GABAのC4メチレン信号の検出を行った。また3Tesla MRIを用いたγアミノ酪酸の脳内分布の高精度定量に加えて、脳内白質の神経線維変化を測定する拡散テンソル解析の計測を計画した。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (3件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 緩和ケアチームが機能するための課題2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      癌の臨床 55

      ページ: 441-446

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高齢者の精神腫瘍学2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      腫瘍内科 3

      ページ: 505-511

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 精神腫瘍学クイックリファレンスの作成について2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      緩和医療学 11

      ページ: 20-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] がんセンターにおける緩和ケア-緩和ケアにおける抑うつへのアプローチを中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      心療内科 13

      ページ: 193-200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 薬剤性精神症状を見極める2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      看護学雑誌 73

      ページ: 10-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サイコオンコロジーの役割2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      日本臨床 67Suppl 1

      ページ: 521-527

    • 査読あり
  • [雑誌論文] がん患者のせん妄・認知症2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      日本精神科病院協会雑誌 28

      ページ: 24-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 不安に使用されるBZP,SSRIs以外の薬物2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      最新精神医学 14

      ページ: 551-555

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 緩和ケアにおけるうつへのアプローチ現状と課題2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 雑誌名

      Depression Frontier 7

      ページ: 55-60

    • 査読あり
  • [学会発表] 悪性腫瘍における薬物間相互作用2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 学会等名
      第22回日本総合病院精神医学会総会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪市)
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] 悪い知らせの伝え方とその後の対応2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 学会等名
      第47回日本癌治療学会学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] いかに精神症状に対応するか2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 学会等名
      第14回日本緩和医療学会学術大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      2009-06-19
  • [図書] 緩和ケアチームのための精神腫瘍学入門2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生(編)
    • 総ページ数
      415
    • 出版者
      医薬ジャーナル社
  • [図書] 精神腫瘍学クイックリファレンス2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生(編)
    • 総ページ数
      386
    • 出版者
      創造出版
  • [図書] サイコオンコロジー:がん治療エッセンシャルガイド2009

    • 著者名/発表者名
      藤森麻衣子、小川朝生
    • 総ページ数
      658
    • 出版者
      南山堂
  • [図書] 緩和医療におけるうつ病:新しい診断と治療のABC9気分障害2009

    • 著者名/発表者名
      小川朝生
    • 総ページ数
      386
    • 出版者
      最新医学社
  • [備考]

    • URL

      http://pod.ncc.go.jp/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi