研究概要 |
目的 : DGAT2の肝脂肪化改善作用、DGAT1の抗線維化作用を期待して、マウス脂肪肝モデルにおいてアンチセンスオリゴを用いてDGAT1, 2の発現を同時に抑制した。 計画・内容・意義 : 具体的には、DGTA1, 2同時抑制モデルで、肝臓の脂肪化については肝臓の中性脂肪含有率、脂質合成系、代謝系遺伝子の検討を、炎症については、血清生化学検査、アポトーシスの評価、過酸化脂質の評価を検討する予定である。線維化に関しては、シリウスレッド染色、線維化マーカーの発現により検討するが、現段階では明らかな差が見られず、8週間のモデルではなく12週以上のモデル作製の必要性につき再検討する。DGAT1の抗線維化作用はレチノイド代謝を介する間接的なものと予想され、その効果は弱く打ち消される可能性がある。肝臓ではDGAT2の影響が強く、DGAT2単独抑制の場合とほぼ同様の結果が出始めている。今後はDGAT1, 2抑制の割合を調節する必要があると考えられた。脂肪化抑制と線維化を別の事象と考え、別個に同時抑制を行うことで、脂肪性肝炎だけでなく慢性C型肝炎などの脂肪化、炎症、線維化を伴う肝炎においてもその病態を改善させる可能性があると考えられ、その点に重きをおいて検討課題としていく予定である。
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