研究概要 |
目的:DGAT2の肝脂肪化改善作用、DGAT1の抗線維化作用を期待して、マウス脂肪肝モデルにおいてアンチセンスオリゴを用いてDGAT1,2の発現を同時に抑制した。 計画・内容・意義:前年度に8週間のDGAT1,DGAT2アンチセンスオリゴ投与を行ったが有意な差がみられなかったため、アンチセンスオリゴの投与期間を8週間から12もしくは16週間と延長して再実験を行った。db/dbマウス30匹をコントロール食10匹、メチオニンコリン欠乏食20匹に分け、さらにメチオニンコリン欠乏食投与群は2群に分けて、それぞれ生理食塩水、DGAT1,2 ASOを週に2回腹腔内投与した。12週、16週後に各5匹ずつから肝臓、血清を採取し、肝臓の線維化、脂肪化、炎症を評価しDGAT1,2抑制効果の判定を行った。しかし、今回の長期投与によっても肝臓の線維化、脂肪化、炎症の変化はDGAT2単独投与と比べて大差なかった。肝臓で強発現しているDGAT2の影響がDGAT1に比べて強力であることが原因と考えられた。また、マウスにおけるメチオニンコリン欠乏食投与では肝臓でのDGAT1発現が抑制される傾向があると報告されたことから、より軽度のNASHモデルのほうがDGAT1ASOの効果検討が可能ではないかと考えており、コリン単独欠乏食での検討を考えている。本年度は、これまでのデータを整理し、学会発表や論文発表をする予定としている。
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