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2008 年度 実績報告書

クローン病患者のマクロファージは脂質に過剰応答するか?

研究課題

研究課題/領域番号 20790504
研究機関九州歯科大学

研究代表者

鳥巣 剛弘  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30453228)

キーワード下部消化管学 / クローン病
研究概要

「クローン病のマクロファージは脂質に過剰応答する」という仮説の元、各種実験を遂行した。まずクローン病患者および健常者からマクロファージを単離した。炎症を惹起すると考えられているオレイン酸、リノール酸、炎症抑制に働くと考えられているリノレイン酸、トランス脂肪酸であるエライディン酸でマクロファージを刺激した。培養上清中に分泌されたTNFα、IL-23、IL,-10等のサイトカイン測定を行った。オレイン酸、リノール酸の刺激によりいずれのサイトカイン産生も亢進していた。リノレイン酸、エライディン酸ではサイトカイン産生は検出感度以下であった。クローン病患者と健常人で脂質に対する応答性が異なるのは培養しているマクロファージの分化状態が違うのではないかと考え、分化マーカーや活性化マーカーを測定した。CD14、CD80、CD86等には差は見出されなかった。近年着目されている抑制型マクロファージの分化マーカーであるCD163の発現が活動性のクローン病患者で低値であり、血球をクローン病患者の血清で培養したところ著明に低下していた。CD163は切断され血漿および血清中で測定できることからEHSA法にて測定したところクローン病で可溶性CD163は亢進しており、活動性に相関していた。これらの結果からクローン病患者では血清中の炎症性サイトカイン等が異なるため、単球・マクロファージの分化がより炎症を惹起する方向に分化しており、脂質に対しても炎症性サイトカインを分泌しやすいのではないかと考えられた。また可溶性CD163の測定はクローン病患者の活動性の評価に有用である可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Atrophic gastritis, but not antibody to Helicobacter pylori, is associated with body mass index in Japanese population2008

    • 著者名/発表者名
      Torisu T
    • 雑誌名

      J Gastroenterol 43

      ページ: 762-766

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IgA level is associated with risk for mortality in 80-year old populati on2008

    • 著者名/発表者名
      Torisu T
    • 雑誌名

      Gerontology 55

      ページ: 179-185

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス肝炎もでるにおいて肝細胞のSOCS1は防御的に機能する2008

    • 著者名/発表者名
      鳥巣剛弘
    • 学会等名
      第50回日本消化器病大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20081001-04
  • [学会発表] 萎縮性胃炎がBMIと動脈硬化に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      鳥巣剛弘、松本主之、飯田三雄
    • 学会等名
      第94回日本消化器病総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080508-20080510
  • [学会発表] クローン病患者のマクロファージは脂質に過剰応答する2008

    • 著者名/発表者名
      鳥巣剛弘、松本主之、飯田三雄
    • 学会等名
      第94回日本消化器病総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080508-20080510

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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