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2009 年度 実績報告書

クローン病患者のマクロファージは脂質に過剰応答するか?

研究課題

研究課題/領域番号 20790504
研究機関九州歯科大学

研究代表者

鳥巣 剛弘  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30453228)

キーワードクローン病 / 下部消化管
研究概要

「クローン病のマクロファージは脂質に過剰応答する」という仮説の元、H20年に引き続き症例を蓄積した。クローン病患者および健常者からマクロファージを単離し、炎症を惹起すると考えられているオレイン酸、リノール酸、炎症抑制に働くと考えられているリノレイン酸、トランス脂肪酸であるエライディン酸でマクロファージを刺激した。培養上清中に分泌されたTNFα、IL-23、IL-10等のサイトカインは、オレイン酸、リノール酸の刺激によりクローン病患者で亢進していた。クローン病患者と健常人で脂質に対する応答性が異なる原因は培養しているマクロファージの分化状態が違い、抑制型マクロファージの分化マーカーであるCD163の発現が活動性のクローン病患者で低値であり、血球をクローン病患者の血清で培養したところ著明に低下していた。CD163は切断され血漿および血清中で測定できることからELISA法にて測定したところクローン病で可溶性CD163は亢進しており、活動性に相関していた。また可溶性CD163はクローン病の地尾良薬である抗TNF製剤で抑制された。さらに単球に健常人の血清で培養したときに比べ、クローン病の患者血清で培養した時のほうが単球のCD163は低くなることからクローン病の患者から単球のCD163を切断し可溶性CD163に移行させる因子が考えられた。TACE活性や活性酸素、そのほかの表面抗原を測定したが分化誘導因子の同定にはいたらなかった。これらの結果からクローン病患者では血清中の炎症性サイトカイン等が異なるため、単球・マクロファージの分化がより炎症を惹起する方向に分化しており、脂質に対しても炎症性サイトカインを分泌しやすいと考えられた。また可溶性CD163の測定はクローン病患者の活動性の評価に有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Possible association of atrophic gastritis and arterial stiffness in healthy middle-aged Japanese2009

    • 著者名/発表者名
      Torisu T
    • 雑誌名

      J Atheroscler Tromb 16

      ページ: 691-697

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗TNFα製剤のFcγレセプターを介したヒト血球との結合能の相違2010

    • 著者名/発表者名
      鳥巣剛弘松本主之藤岡審、飯田三雄
    • 学会等名
      第6回日本消化管学会総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2010-02-19
  • [学会発表] Plasma Soluble CD163 May Be Representative of Clinical Activity in Crohn's Disease2010

    • 著者名/発表者名
      烏巣剛弘
    • 学会等名
      The 4th Korea-Japan IBD symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-01-23
  • [学会発表] クローン病における可溶性CD163の有用性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      鳥巣剛弘松本主之飯田三雄
    • 学会等名
      第51回日本消化器病大会(JDDW2009)
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-10-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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