研究概要 |
アデノウイルスベクターを用いての血管内皮前駆細胞への遺伝子導入効率は通常の培養細胞より劣ることが分かつていたため、まず、細胞培養液内血清濃度、アデノウイルス感染反応時間を振り、導入効率を検討した。検討の際はコントロールアデノウイルスであるβガラクトシダーゼ発現ウイルス(AdLacZ)を用い、細胞のX-ga1染色による半定量評価を行なった。遺伝子導入させる際の血清濃度を0, 1, 2, 5%FBS(FBS : fetal bovine serum)とふってみたところ、2%が最も遺伝子導入効率がよかつた。さらに、アデノウイルス感染反応時間を0, 3, 6, 12, 18, 24時間とふってみたところ、12時間が適切であることが分かった。18あるいは24時間ではアデノウイルス感染による血管内皮前駆細胞へのダメージが強くなる傾向があることが分かった。この結果を踏まえ、修飾日的遺伝子であるHGF、あるいは可溶型TGF-β受容体発現ウイルスを用いて同様の実験を行ない、その発現量をELISA法を用いて解析を行ったところ、X-ga1染色による半定量評価と同様の結果を示した。
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