研究概要 |
in vivoの検討:Wistar系雄性ラットにフェノバルビタール水を1週間自由飲水させた後、腹腔内に週2回6週間四塩化炭素(CCl_4)を投与し、肝硬変症モデルラットを作製した。あらかじめ正常ラット骨髄由来血管内皮前駆細胞(EPC)を培養・採取しておき、以下の3群に分けて実験した。CCl_4投与開始7週目より週1回のペースで1)生理食塩水(対照群)、2)コントロールアデノウイルスであるβガラクトシダーゼ遺伝子導入したLacZ遺伝子導入EPC(EPC-LacZ群)、3)ヒトHGF(hHGF)プラスミドをアデノウイルスベクターを用いて遺伝子導入したhHGF遺伝子導入EPC(EPC-HGF群)、を各々計4回尾静脈より投与し、その間もCCl_4は投与し続け、CCl_4投与開始71日目に屠殺した。in vitroの検討:培養EPCにおける肝再生因子のmRNA発現をreal-time PCRを用いて検討した。培養7日目のEPCにおいて、HGF,TGF-α,EGF,VEGF,活性型MMP-2,-9,-13の発現を確認した。その発現は成熟血管内皮細胞に比しVEGFを除き、有意に上昇していた。生存率を各群間で比較すると、EPC移植により対照群と比し生存率は有意に向上し(対照群:40% vs EPC-LacZ群:66%)、hHGF遺伝子導入EPC移植群との比較ではさらなる向上を示した(EPC-HGF群:75%)。
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