これまで我々は四塩化炭素肝硬変モデルにおいて、血管内皮前駆細胞(EPC)移植による肝再生促進と肝硬変の進展阻止、生存率の改善を報告した。さらなる治療効果を目指し、EPCを目的遺伝子のベクターとしたHGF遺伝子導入EPCによる肝再生遺伝子治療の開発を試みた。アザン染色による肝線維化率は、EPC移植群よりHGF遺伝子導入EPC移植群ではさらに低値を示した。Ki67染色による肝細胞陽性率は、EPC移植群よりHGF遺伝子導入EPC移植群ではさらなる細胞増殖活性を示した。血液生化学的検査値は、EPC非移植群と比し、EPC移植群で有意な改善を認めたが、HGF遺伝子導入EPC移植群ではさらなる改善を認めた。HGF遺伝子導入EPC移植によるさらなる治療効果が示された。
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