動脈硬化病変形成における、マイクロRNAの役割を明らかにすることが本研究の目的である。まず、その基礎的実験として、動脈硬化巣に集積するマクロファージに注目し、そのマイクロRNAのプロファイリングをおこなった。 マウス腹腔内マクロファージを採取し、培養条件下で酸化LDL(100マイクログラム/ミリグラム)による刺激を行い、6時間後にRNAを回収。酸化LDLの刺激の有無によるマイクロRNAの変化をマイクロアレイを用いて検討した。プロファイリングの結果によると、有意な変化を示したマイクロRNAが8個同定された。次にデータベース(miRBaseなど)を用いて、これらのマイクロRNAの標的となりえるメッセンジャーRNAを絞り込んだ。 選ばれたマイクロRNAがマクロファージの中で実際にどのようなメッセンジャーRNAの制御に関わっているかを明らかにするために、候補の8つのマイクロRNAを合成し、マクロファージに過剰導入。その後、候補となるメッセンジャーRNAの発現の変化をPCR法を用いて評価した。導入は、リポフェクション法を用いて行い、ラミンのSiRNAを同時に行うことでその導入効率を確認した。
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