1. ヒト血管内皮細胞において、酸化LDLは酸化LDL受容体LOX-1を介して低分子GTP結合蛋白質RhoA-Raclを数分内に活性化することが証明された。 2. LOX-1とMT1-MMPは血管内皮細胞膜および細胞質内で一部局在が一致していることが蛍光免疫染色より確認され、免疫沈降法によりLOX-1とMT1-MMPが直接会合していることが証明された。 3. Giの阻害剤であるpertussis toxinにて酸化LDLによるRhoA・Rac1の活性化は抑制されることが示され、LOX-1/MT1-MMPからRhoA/Rac1活性化のシグナルにGiが関与することが証明された。 4. siRNAの導入によりMT1-MMPの発現を抑制した血管内皮細胞では、酸化LDLによるRhoA・Rac1の活性化が抑制され、LOX-1/Giを介するRhoAとRaclの活性化にはMT1-MMPが重要と考えられた。 5. LOX-1阻害およびMT1-MMP阻害により酸化LDLによるRhoA依存性eNOS発現低下およびRac1依存性ROS産生は抑制された。 6. eNOSのプロモーター解析によりMT1-MMP阻害によるeNOSの発現調節は、post transcriptionalレベルで起きていることが明らかとなった。 以上の結果の一部はCardiovascular Researchに投稿し、追加実験も加えrevisionを再投稿しているところである。
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