研究概要 |
大部分のCaspase(例Caspase-3)はApoptosisの誘導に関与している。一方Caspase-1は炎症性サイトカインIL-1beta,IL-18の成熟化に必須であることが知られている。 我々は以前に抗酸化薬チオレドキシン(TRX1)がCOPDのマウスモデルを抑制することを報告した(Kinoshita, BBRC 2007)。またCOPD患者でIL-18と重症度の関連を示した(I maoka, ERJ 2009)。これらの結果はCOPDの病態に炎症性サイトカインだけでなく酸化ストレスの関与が示唆された。そこで本研究では豚膵エラスターゼをマイクロスプレーにて気道内に噴霧しCOPDマウスモデル作製した。そしてC57BL/6バックグラウンドのCaspase-1欠損(KO)マウスを用いて気腫化におけるCaspase-1の役割を検討した。Caspase-1KOマウスでは野生型マウスに比べ有意に平均肺胞壁間距離(Mean alveolar chord length)を抑制した。これらの結果はCaspase-1の活性化がCOPDの発症に関与していることが示唆された。
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