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2008 年度 実績報告書

腎病変進行における腫瘍壊死因子活性の多様性に関与するシグナル伝達制御機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20790591
研究機関浜松医科大学

研究代表者

三崎 太郎  浜松医科大学, 医学部・附属病院, リサーチアシスタント (20464125)

キーワードUUO / TNFα / TRADD / ubiquitin
研究概要

Tumor necrosis factor α(TNFα)の細胞内信号伝達は、TNF receptor(TNFR)1とTNFR2という2種の受容体を介するが、腎病変の進行においてそれらの伝達系がいかなる制御を受けているかは明らかではない。本研究は、TNFR1を介するTNFαの信号伝達因子TRADDが、腎線維化モデルである片側尿管結紮(unilateral ureteral obstruction ; UUO)ラットの腎障害進行においていかなる細胞内制御を受けているかに関し、TRADDのユビキチン依存性蛋白分解制御について検討し、以下の知見を得た。
1. UUO腎ではTNFα、TNFR1、TNFR2、TRADDのmRNAは、経時的に増加した。しかし、それらの蛋白レベルでは、TNFR2蛋白は増加するが、TNFR1蛋白は軽度減少し、TRADD蛋白はmRNA増加にもかかわらずUUO1日後より有意に減少した。
2. UUO腎ではTRADDの分解亢進(degradation assay)とユビキチン化の亢進(ubiquitin assay)が認められ、このTRADD分解はプロテアソーム阻害剤により抑制された。
3. HEK293細胞においてTRADDがユビキチン化されることがin vitroでも確認された。
4. TNFα阻害剤エタネルセプトの投与は、UUO腎障害を軽減し、TRADDの分解を抑制した。
以上より、UUO腎の尿細管間質障害進行に関与するTNFαの細胞内信号伝達では、TNFR1を介するTNFαの信号伝達因子TRADDがユビキチン依存性プロテアソーム蛋白分解制御を受けることでUUO1日後より減少していることが明らかになった。このUUO腎におけるTRADDの減少は、その腎障害進行においてTNFαの信号をTNFR2を介した信号伝達系優位に働かせている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] UUOラット腎におけるTNFレセプター発現とエタネルセプトの効果の検討2008

    • 著者名/発表者名
      三崎太郎
    • 学会等名
      日本腎臓学会
    • 発表場所
      博多
    • 年月日
      2008-06-01

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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