Glial cells missing-2(Gcm2)は副甲状腺の発生過程において重要な役割を担う転写因子である。二次性副甲状腺機能亢進症におけるGcm2の機能の解明を目的に、二次性副甲状腺機能亢進症患者の副甲状腺細胞のGcm2遺伝子をベクター法によりノックダウンした際の、Ca感知受容体、ビタミンD受容体、PTH、PCNA、ビタミンD1α水酸化酵素の各mRNAの発現変化を検討した。ノックダウンによりCa感知受容体の発現が有意に低下した。ビタミンD受容体、PTH、PCNA、ビタミンD1α水酸化酵素のmRNA発現に変化はみられなかった。Gcm2のノックダウンにより影響を受けたCa感知受容体は、プロモータ2により合成されるエクソン1Bを含む転写産物であることが判明した。以上の結果から、過形成副甲状腺細胞において、Gcm2はCa感知受容体発現を制御し、その発現制御にはプロモータ2が関与していることが示唆された。
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