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2009 年度 実績報告書

グルタミン酸毒性増悪因子D―セリンを標的とした筋萎縮性側索硬化症の新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 20790623
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

笹部 潤平  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10398612)

キーワード筋萎縮性側索硬化症 / ALS / D-セリン / 運動神経細胞死 / 神経興奮毒性 / D-アミノ酸オキシダーゼ
研究概要

本研究では、D-セリン上昇が筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態にどのように関連しているかを明らかにし、治療標的を開発することが目的である。平成21度までの検討で、D-セリン分解酵素(DAO)のノックアウトマウスとALSモデルマウスの掛け合わせによって、ALSの病態が悪化することを明らかにした。本年度において、DAOノックアウトALSモデルマウスの脊髄中D-セリン量を2次元HPLCにて定量分析したところ、D-セリンはDAOノックアウト非ALSマウスと比較してやや多いものの顕著には差を認めなかった。このことは、ALSにおけるD-セリンの上昇はD-セリン合成酵素(SRR)の発現上昇による寄与よりもDAOの活性低下による寄与が大きいことを示唆していた。次に、実際、ALSモデルマウスの脊髄中のDAO活性を測定したところ、野生型マウスと比較して50%程度にまで減少していた。また、その他の部位(DAOの発現が豊富な小脳、腎臓)のDAOの活性低下は認めないことから、DAOの活性低下は病態特異的であることが考えられた。これまで我々は、SRRがALSの病態に伴って発現上昇することが、病態増悪の鍵であると考えていたが、これらの結果からDAOの活性低下がALSの病態により重要であることが明らかとなった。家族性ALSの原因遺伝子としてもDAOが近年発見されたことも考慮すると、本研究で明らかとなった新規の知見により、DAOの活性が、ALSの治療標的として非常に重要であることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Aberrant control of motoneuronal excitation in Amyotrophic Lateral Sclerosis : excitatory glutamate/D-serine vs. inhibitory glycine/GABA2010

    • 著者名/発表者名
      J.Sasabe, S.Aiso
    • 雑誌名

      Chemistry and biodiversity (未定In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 筋萎縮性側索硬化症におけるD-セリン2010

    • 著者名/発表者名
      笹部潤平、相磯貞和
    • 雑誌名

      日本生化学会誌 (未定In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Quantitative analyses of D-/L-serine in mice model for amyotrophic lateral sclerosis2009

    • 著者名/発表者名
      J. Sasabe, et al.
    • 学会等名
      北米神経科学会
    • 発表場所
      シカゴ、USA
    • 年月日
      2009-10-20
  • [備考] 特記すべきことなし

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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