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2009 年度 実績報告書

プロテアソーム・オートファジー不全による神経細胞変性のリアルタイムイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 20790633
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

千葉 陽一  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 病理学部, 主任研究員 (30372113)

キーワード神経変性疾患 / 病理学 / 老化 / 封入体 / プロテアソーム / オートファジー
研究概要

本研究は、加齢性神経変性の原因のひとつとして、細胞内蛋白分解系であるユビキチン-プロテアソーム系及びオートファジー系の機能不全が関与している、という仮説を検証する目的で計画した。老化に伴い神経変性を自然発症するSAMP10マウス由来の初代培養神経細胞にプロテアソーム阻害剤を負荷すると、コントロール系由来の細胞に比べて有意にユビキチン化封入体が形成されやすい。そのひとつの要因として、プロテアソーム阻害により起こるべきオートファジーの誘導が弱い可能性を考え、ビデオ強化微分干渉顕微鏡(VEC-DIC)によるオートファゴソーム形成のリアルタイムイメージングや、オートファゴソーム形成の生化学的マーカーであるLC3の修飾のウェスタンブロットによる検出を試みた。しかし、いずれの系でもSAMP10ニューロンとコントロールニューロンとの間に有意な差を見出すことができなかった。オーファゴソームを形態学的に検出する手法の感受が不十分であった可能性が考えられ、今後オートファゴソームを蛍光ラベルするbaculovirusを利用したトランスフェクションの系を導入し、更なる検討を進める予定である。一方、ヒトの神経変性疾患である多系統萎縮症において観察されるグリア細胞内封入体の性質に関する研究も行い、その結果、これらの封入体が、プロテアソーム阻害などの際に形成されるアグリゾームと同様の性質を持つことを見出した。プロテアソーム活性低下等に起因する蛋白分解ストレスが、多くの加齢性神経変性疾患に共通する病態形成メカニズムであることが示唆された。これらの病態におけるオートファジーの関わりについても、今後培養系でモデルを構築して検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Aggresomal property of glial cytoplasmic inclusions2009

    • 著者名/発表者名
      Chiba Y, et al
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] 加齢性神経変性疾患における封入体形成へのaggresomeの関与2009

    • 著者名/発表者名
      千葉陽一, 他
    • 学会等名
      第32回日本基礎老化学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] Glial cytoplasmic inclusionsはaggresomeとしての側面を有する2009

    • 著者名/発表者名
      千葉陽一, 他
    • 学会等名
      第50回日本神経病理学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      2009-06-06
  • [図書] 新老年学2010

    • 著者名/発表者名
      細川昌則, 他
    • 総ページ数
      237-240
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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