我々は最近pulldownの手法により、インスリン作用の中心にあるAktと結合する蛋白として、カルシウムイオン濃度感受性蛋白であるannexinを新規に同定した。本研究では、Akt-annexin結合の役割を明らかとし、多様なインスリン作用におけるAktの役割を詳細に特定していくことによって、糖脂質代謝異常症の病態解明、治療、薬剤開発につなげていきたいと考えている。今年度はまず始めに、Akt-annexin間の結合を確認する実験を行った。具体的には、AnnexinのcDNAをクローニングし、pcDNA発現ベクターに導入するとともに、Annexin蛋白を発現するアデノウイルスを作成した。このアデノウイルスを、我々のグループで既に作成済みの. stable Akt-HepG2細胞に感染させることでAnnexin蛋白を過剰発現させ、免疫沈降を行って両者の結合の再確認を行った。次に、GSTシステムを利用して、GST-annexin融合蛋白を作成した。現在はこれを抗原としてウサギを免疫し、annexin特異的抗体を作成中である。
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