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2009 年度 実績報告書

脂肪毒性および耐糖能異常の新規治療標的としてのG蛋白共役型-脂肪酸受容体の意義

研究課題

研究課題/領域番号 20790645
研究機関京都大学

研究代表者

冨田 努  京都大学, 医学研究科, 医員 (50402897)

キーワードG蛋白共役型受容体 / GPR40 / インスリン分泌 / 遊離脂肪酸 / 脂肪毒性 / コレツキーラット
研究概要

我々は、新規のG蛋白共役型-脂質受容体、GPR40が内因性脂質(遊離脂肪酸)をリガンドとし、インスリン分泌増強に関与することから、インスリン分泌調節と脂質代謝でのGPR40の病態生理的意義の可能性に注目し、我々が遺伝子異常を解明したレプチン受容体欠損-遺伝性肥満モデル(Nat Genet 14:130,1996)コレツキーラット(fa^k/fa^k)にて、膵島でのGPR40遺伝子発現をTaqMan PCRにて検討した。著明な肥満および早期インスリン分泌調節異常を呈する14週齢のfa^k/fa^kで、膵島でのGPR40 mRNAレベルは非肥満対照(+/+)の約113に著明に低下していた。膵β細胞領域はfa^k/fa^kにて+/+の約5倍に著明に増加していたが、膵α細胞領域は有意な差がなかったことから、このGPR40遺伝子発現の低下は膵島内でのβ細胞の比の低下によるものではないと考えられた。また、14週fa^k/fa^kの単離膵島にて、GPR40のリガンドである長鎖脂肪酸のオレイン酸によるインスリン分泌増強は、+/+の約1/3に著明に低下していた。fa^k/fa^kがレプチン受容体欠損動物であることから組織脂質蓄積が予想されため、膵島での中性脂肪レベルを定量したところ、fa^k/fa^kにて+/+の約3倍に著明に増加していた。また、GPR40のプロモータ領域に結合ドメインが報告されているPdx1のmRNAレベルは、fa^k/fa^kの膵島で+/+の約1/2に低下していたことから、膵島でのGPR40遺伝子低下にPdx1遺伝子発現低下が関与する可能性が示された。本研究により、脂質蓄積のある膵β細胞で、GPR40遺伝子発現低下が示された。GPR40はインスリン分泌調節増強に関与することが知られており、膵島でのGPR40発現低下とインスリン分泌調節異常の関連が示唆される。また、我々の検討から、コレツキーラットが脂肪蓄積と膵β細胞機能異常の研究ツールとして有用である可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Relevant use of Klotho in FGF19 subfamily signaling system in vivo2010

    • 著者名/発表者名
      K.Tomiyama, R.Maeda, I.Urakawa, Y.Yamazaki, T.Tanaka, S.Ito, Y.Nabeshima, T.Tomita, S.Odori, K.Hosoda, K.Nakao, A.Imura, Y.Nabeshima.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 26

      ページ: 1666-1671

    • 査読あり
  • [学会発表] Decreased gene expression of a G protein-coupled fatty acid receptor GPR40 in pancreatic islets of Koletsky rats2010

    • 著者名/発表者名
      T. Tomita, K. Hosoda, S. Odori, J. Fujikura, H. Iwakura, M. Noguchi, E. Mori, M. Naito, T. Kusakabe, K. Ebihara, H. Masuzaki, K. Nakao
    • 学会等名
      14th International Congress of Endocrinology (ICE2010)
    • 発表場所
      Kyoto, Japan
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] G蛋白共役型受容体40(GPR40)の肥満・糖代謝異常における意義の検討2009

    • 著者名/発表者名
      冨田努, 細田公則, 小鳥真司, 藤倉純二, 岩倉浩, 野口倫生, 森栄作, 内藤雅喜, 海老原健, 益崎裕章, 中尾一和
    • 学会等名
      日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      群馬
    • 年月日
      2009-04-23

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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