最近我々は甲状腺ホルモン(T3)がPI3K→Aktキナーゼカスケードを活性化することを報告した。このT3作用が受容体(TR)を介するが、TRによる遺伝子発現調節を伴わない、いわゆるノンゲノミック(non-genomic)作用である。本研究はT3がTR/Src/p85の複合体の形成を促進することににより、Src及びその下流のp85をリン酸化し、PI3K→Aktカスケードを活性化する分子機序を明らかにした。また、こうしたシグナルカスケードの活性化は神経細胞に対するT3の抗アポとシース作用に重要であることも証明した。
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