• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

AML1標的遺伝子群の白血病における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790670
研究機関東京大学

研究代表者

中川 正宏  東京大学, 医学部・附属病院, 特任助教 (10431850)

キーワードシグナル伝達 / 癌
研究概要

本研究では, 急性白血病での最も多い遺伝子異常の一つである, AML1関連白血病での分子標的療法の確立を試みている. これまでAML1に関しては様々な解析が行われてきたにも関わらず, 依然分子標的療法が確立できていない. そこで, 本研究では, AML1自体ではなく, AML1の標的遺伝子をターゲットとすることにより, 分子標的療法の確立を試みた. われわれはこれまでAML1について行ってきた解析の中で, マウスの正常造血幹細胞におけるAML1の標的遺伝子群を同定している. 一方, 白血病においても, 幹細胞が重要であると考えられるようになっており, これらの遺伝子群が, AML1関連白血病における, 鍵分子ではないかと考え, 白血病細胞における機能解析を行い治療標的となりうるかを検証した. まず, 正常造血幹細胞でAML1の正常造血幹細胞でのターゲットとして我々が同定したNF-kBシグナルについて検証を行った. 我々が以前作成したAML1のコンディショナルノックアウトマウス(cKO)に白血病遺伝子MLL/ENLをレトロウィルスで導入し不死化させる系で検証を行った. AML1を欠失したMLL/ENL不死化細胞では, AML1が保たれたMLL/ENL不死化細胞に比べ, 増殖が亢進するが, このAML1欠失MLL/ENL不死化細胞では, NF-kBシグナルの標的遺伝子の発現の亢進がみられ, さらにNF-kBの核内移行の亢進がみられた. 次に, ヒト白血病細胞の細胞株では, NF-kBシグナルの亢進がみられた. また, マウスの骨髄細胞にAML1/ETO融合蛋白を導入し, 不死化させた細胞でも, NF-kBシグナルの亢進がみられた. 以上から, AML1関連白血病においても, AML1の新規標的シグナル1であるNF-kBシグナルが重要な役割を果たしており, AML1関連白血病の有力な治療標的となることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] AML1/Runx1 regulates NF?-kB signaling in murine hematopoietic stem and progenitor cells2008

    • 著者名/発表者名
      中川正宏
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-10-28
  • [学会発表] 造血幹細胞におけるAML1/Runx1の転写標的ネットワークの解明2008

    • 著者名/発表者名
      中川正宏
    • 学会等名
      第70回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-10-11

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi