研究概要 |
1, 巨核球におけるCLEC-2の役割とCLEC-2信号伝達系におけるCARD9の役割 マウス骨髄からの巨核球採取と精製法について、実験経験者のいる大塚製薬株式会社探索第一研究所において2日間の講習を受けた。この方法は、マウス骨髄懸濁液に巨核球以外の血球細胞が発現する膜抗原に対する抗体とプロテインAセファロース結合磁気ビーズを添加し、免疫沈降法で巨核球以外の血球細胞を除去するというものである。物品、機材が揃い、現在は正常マウスを用い、採取した骨髄から巨核球を分離・精製・培養する至適条件を検討中である。最近になりproplatelet formationが観察されるにまで巨核球を培養することにも成功した。また、1回の実験に使用する骨髄を採取するには多数のCARD9欠損マウスが必要であるため、繁殖中である。骨髄の免疫組織染色標本の作成については、2008年組織細胞化学講習会に参加し免疫染色の基本を学び、現在固定・染色(抗体濃度)などの諸条件を検討中である。 2, CLEC-2血小板信号伝達系におけるCARD9の役割 CARD9欠損マウス血小板をロドサイチン、コラーゲン、トロンビンなどで刺激すると、当初の我々の検討では正常マウス血小板と比較して凝集反応が減弱するとの結果を得ていた。しかしその後の検討では、いずれの刺激でも血小板凝集反応が減弱しない場合も観察された。正常マウス血小板の反応性が低下していた可能性もあり、繁殖中のCARD9欠損マウスを用いての再検討を計画している。
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