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2008 年度 実績報告書

悪性リンパ系腫瘍におけるTFL遺伝子欠失と臨床病態に関する臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 20790674
研究機関神戸大学

研究代表者

皆川 健太郎  神戸大学, 医学部・附属病院, 医員 (80432574)

キーワードTFL / ZC3H12D / Tumor suppressor gene / FISH / 6q- / Rb / Apoptosis
研究概要

我々はt(14 ; 18)(q32 ; q21)の稀なvariantであるt(18 ; 22)(q21 ; q11)を有する濾胞型リンパ腫からびまん性大細胞型リンパ腫へ移行した症例において、今まで報告のない新規癌抑制遺伝子TFLを見出した(Br. J. Hematol. 139 : 161,2007)。TFLの欠失が悪性リンパ腫の発症や悪性化の進展に際しての重要な要因と考え、潜在的なTFLの欠失を調査すべく臨床研究によりリンパ系悪性腫瘍の骨髄・リンパ節検体を用いて2カラーFISHを行ったところ、さまざまな病型の患者にTFLの欠失を認めた。さらに、我々はTFLには二つのスプライスバリアントTFL1, TFL2が存在し、TFL1より合成される58KDaの蛋白質、p58^<TFL>がリンパ球特異的なアイソフォームであることを明らかとした。また、多くのリンパ系白血病細胞株にp58^<TFL>の発現を認めたがいくつかのTリンパ系白血病細胞株にはp58^<TFL>の発現を認めなかった。TFLの分子的機能を明らかにするため、我々はTFLを持たないTリンパ系白血病細胞株にTFLを遺伝子導入した。その結果、Rbのリン酸化を抑制することで細胞増殖を抑え、アポトーシスを誘導することを明らかにした。このことにより、TFLが新規のがん抑制遺伝子であることが示唆された。次に、p58^<TFL>は強制発現により細胞質のP-bodyと呼ばれる顆粒に局在し内在性のStress granuleと空間的に協調していることが明らかとなった。P-bodyはAGO2などマイクロRNAの制御に関わる分子の集合体として知られており、p58^<TFL>は転写後調節に関わる新しい分子であることが予想される(Mol Cancer Res. In press)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] A novel zinc finger protein, P58^<TFL>, expressed in T cells inhibits cell proliferation and promotes cell death at P-bodies2009

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Minagawa
    • 学会等名
      Keystone Symposia (Regulatory T Cells)
    • 発表場所
      アメリカ合衆国コロラド州キーストン
    • 年月日
      2009-03-03
  • [学会発表] t(2 ; 6)(p12 ; q25)転座悪性リンパ腫により見出された新規がん抑制遺伝子の遺伝子診断法の確立2008

    • 著者名/発表者名
      皆川健太郎
    • 学会等名
      第70回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2008-10-11
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.kobe-u.ac.jp/im3/rinsyo/ketueki/research2.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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