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2009 年度 実績報告書

重症気管支喘息におけるPAF受容体を介したヒト肺マスト細胞活性化の関与

研究課題

研究課題/領域番号 20790700
研究機関順天堂大学

研究代表者

梶原 直樹  順天堂大学, 医学研究科, 研究員 (70453917)

キーワードアレルギー・ぜんそく / マスト細胞 / 血小板活性化因子
研究概要

前年度の引き続き、ヒトマスト細胞におけるPAF受容体のシグナル伝達経路について検討した。末梢血由来ヒト培養マスト細胞は、ホスホリパーゼC(PLC)β2、PLCγ1、PLCγ2を発現していた。
末梢血由来ヒト培養マスト細胞をPAFで刺激すると、PLCβ2の膜への移行、PLCγ1のリン酸化が観察された。IgE/anti-IgEで刺激した場合にもPLCβ2の膜への移行、PLCγ1のリン酸化が観察されたが、PLCβ2の膜への移行はIgE/anti-IgEよりもPAFでの刺激で強く誘導された。さらに、PAFによるヒスタミン遊離へのPLCβ2とPLCγ1の関与を明らかにするため、short hairpin RNAを用いてPLCβ2とPLCγ1をノックダウンした。PAFによるヒスタミン遊離はPLCβ2とPLCγ1のノックダウンによって顕著に抑制された。
また、PAFがIgE/anti-IgEによるヒスタミン遊離にどのような影響を及ぼすのかについても検討した。PAF (10^<-9>-10^<-8>M)は、IgE/anti-IgEによるヒスタミン遊離を相加的に増強した。
本年度の研究成果より、PAFはPLCβ2とPLCγ1を介して、ヒトのマスト細胞を活性化することが明らかになった。PAFによるヒト肺マスト細胞の活性化は、気管支喘息などの呼吸器疾患の病態形成に寄与していると考えられ、PAF受容体拮抗薬が気管支喘息などの呼吸器疾患の新たな治療標的となる可能性が示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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