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2009 年度 実績報告書

動的イメージングによる破骨細胞機能の生理的制御機構の解明と新規骨疾患治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20790708
研究機関独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部)

研究代表者

石井 優  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (10324758)

キーワード破骨細胞 / イメージング / 関節リウマチ / ケモカイン / 脂質メディエーター / 骨粗鬆症 / 細胞動態
研究概要

生体内で骨を融解・吸収する特殊な能力をもつ破骨細胞の分化・成熟・機能に残された多くの謎を解決するために、本計画研究では、破骨細胞の融合・巨細胞化機構、生理的調節機構、前駆細胞の骨表面への遊走調節機構の3つの具体的なポイントに絞り、動的イメージング技術を駆使し統合的な解明を行うと同時に、さらにこの成果に基づいて破骨細胞を標的とする新たな作用機序の薬物開発を目指した。特に2年目計画の2年目である本年度は、昨年度に得られた成果を元に、破骨細胞機能制御に関わる分子メカニズムの解明を目指すとともに、新たな骨吸収抑制薬の開発の可能性について詳細な検討を行った。本研究で明らかにした分子機構としては、脂質メディエーターS1Pによる破骨細胞前駆細胞の遊走・分化の制御、その他の骨髄内ケモカインによる破骨細胞の遊走・成熟の制御、分化誘導調節因子であるRGS18の機能発現、細胞融合調節因子であるテトラスパニンファミリーなどであるが、特にS1Pについては、そのアゴニストが、リンパ球のS1P1受容体に作用する免疫抑制剤として臨床応用されているが、本研究ではこれが破骨細胞前駆細胞の遊走を制御し、骨吸収を抑制することを動的イメージングを用いて明らかにした(Ishii et al., Nature, 2009)。さらに動物実験モデルなどを駆使して、骨吸収と自己免疫を併せ持つような関節リウマチの治療として極めて有効であることを証明した。本研究により、破骨細胞分化の生理的・病理的調節に関する多数の基礎的成果に留まらず、な臨床応用が照準に入った新たな骨免疫疾患治療薬の開発に道を拓く医学的成果をもたらされた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Sphingosine-1-phosphate mobilizes osteoclast precursors and regulates bone homeostasis.2009

    • 著者名/発表者名
      Ishii, et al.
    • 雑誌名

      Nature 458

      ページ: 524-528

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantifying cellular interaction dynamics in 3-D fluorescence microscopy data.2009

    • 著者名/発表者名
      Klauschen, Ishii, et al.
    • 雑誌名

      Nature Protocols 4

      ページ: 1305-1311

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Visualization and identification of IL-7 producing cells in reporter mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Mazzucchelli, Ishii, et al.
    • 雑誌名

      PLoS One 4

      ページ: e7637

    • 査読あり
  • [学会発表] Chemokine and lipid mediator-mediated control of osteoclast migration visualized by in vivo bone imaging : A novel point of regulation for bone homeostasis.2010

    • 著者名/発表者名
      Masaru Ishii
    • 学会等名
      International Bone and Mineral Society
    • 発表場所
      Davos (Switzerland)
    • 年月日
      2010-03-16
  • [備考]

    • URL

      http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/laboratory/biologicaliimaging/index.php

  • [備考]

    • URL

      http://bioimaging.ifrec.osaka-u.ac.jp

  • [産業財産権] 脂質メディエーターやケモカインを標的とした骨吸収性疾患に対する新規治療法2009

    • 発明者名
      石井優
    • 権利者名
      大阪大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2009-260655
    • 出願年月日
      2009-11-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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