(1) 肺高血圧モデルの作成 : モノクロタリンによる誘発 モノクロタリンはCrotalaria spectabilisという植物の種子から抽出された毒性のあるpyrrolizidine alkaloidである。この1回皮下投与により肺動脈に炎症と肺高血圧、右室肥大が引き起こされる。今年度は肺高血圧モデルとして用いるためにモノクロタリンの準備を行った。 (2) トレーサーの作成 ボセンタン原末から注射用ボセンタンを作成する。次に血清アルブミンに加え、よく振盪して内容物を溶解した後、室温で5分間放置することにより、<99m>^Tcー血清アルブミン注射液を調製する。今年度は、ボセンタン原末をスイスにある製造メーカーから同社の社内承認を得て入手することができた。これによりトレーサーを作成することが可能となる。現在、シンチグラフィーで用いる放射性同位元素の入手準備を行っている。 (3) 処置薬物 治療に用いるボセンタンは市販されているトラクリア錠(62.5mg)を蒸留水で希釈する。今年度は、治療用ボセンタンを製造メーカーから入手した。 (4) 実験動物 旭川医科大学動物実験委員会の倫理承認が得られた。これにより、実験動物の入手が可能となるため、次年度早期からモノクロタリン投与下でボセンタンシンチグラフィーを撮影可能であると思われる。
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