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2009 年度 実績報告書

急性移植片対宿主病における分子マーカーの定量系の確立及びその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790735
研究機関札幌医科大学

研究代表者

山本 雅樹  札幌医科大学, 医学部, 助教 (80404664)

キーワードGVHD / CCL8 / バイオマーカー / ケモカイン
研究概要

1.マウスGVHDの重症度と血漿中CCL8濃度の検討
GVHDモデルマウスにおいて、移植後5日目の血漿中CCL8濃度は移植後14日目での臨床的GVHDスコア、病理学的GVHDスコアと正の相関があり、さらにCCL8高値(2000>ng/ml)の群では生存率が有意に低下した。これにより移植後5日目の血漿中CCL8はGVHDの早期診断のみならず、予後予測にも有用なバイオマーカーである可能性が示された。
2.in vitroでのCCL8発現系の確立及びCCL8発現機序解析
先に作製したGVHDマウスモデルと同様にMHCの異なるマウスの組み合わせでホスト側樹状細胞とドナー側CD4陽性T細胞の共培養を行い、in vitroでのCCL8発現系を確立した。MHCクラスIIをブロックする抗体の存在下でCCL8の発現は低下し、樹状細胞とCD4陽性細胞のMHCクラスIIを介した細胞間の相互作用がCCL8発現に必要であることが示された。Real-time PCRによる検討ではin vitroにおいてCCL8に先行して発現するサイトカインmRNAはIL-2,IFN-γ,TNF-αであった。それらのサイトカインに対する中和抗体の存在下ではCCL8の発現は低下し、これらがCCL8発現を誘導することが示された。
3.in vitroでのCCL8産生細胞の同定
in vitroでのCCL8発現系から細胞を採取し、蛍光免疫染色にてin vitroにおけるCCL8産生細胞を同定した。その結果MHCの異なるCD4陽性T細胞の刺激を受けた樹状細胞がCCL8を産生していることが明らかとなった。
4.CCL8の発現機序におけるToll-like receptor (TLR)の関連を検討するためBalb/cマウスにTLRのリガンドを投与し、血漿中CCL8を定量した。その結果TLR刺激ではCCL8の発現は誘導されなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Upregulation of Plasma CCL8 in mouse model of graft-versus-host disease2009

    • 著者名/発表者名
      Ota A, et al.
    • 雑誌名

      Experimental Hematology 37

      ページ: 525-531

    • 査読あり
  • [学会発表] CCL8 as a biomarker intimately associated with murine graft-versus-host disease (GVHD)2010

    • 著者名/発表者名
      Masaki Yamamoto, et al
    • 学会等名
      第36回欧州骨髄移植学会(EBMT2010)
    • 発表場所
      ウィーン(オーストリア)
    • 年月日
      2010-03-22
  • [学会発表] マウスモデルを用いたGVHDバイオマーカー候補CCL8の発現機序解析2009

    • 著者名/発表者名
      山本雅樹, 太田明伸、小海康夫、堀司、畠山直樹、鈴木信寛、堤裕幸
    • 学会等名
      第71回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-10-24
  • [産業財産権] 宿主対移植片疾患の検査方法2009

    • 発明者名
      山本雅樹
    • 権利者名
      札幌医科大学
    • 産業財産権番号
      特願2009-195951
    • 出願年月日
      2009-08-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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