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2009 年度 実績報告書

コレステロールがセロトニン神経およびドーパミン神経の発達に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20790767
研究機関徳島大学

研究代表者

坂田 ひろみ  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50294666)

キーワード脳発達障害 / コレステロール / セロトニン / ドーパミン / 不安様行動
研究概要

妊娠中の低コレステロール状態が胎仔の中枢神経系の発生・発達に及ぼす影響について検討するため、妊娠3日目(GD3)のWistar-Hannoverラットにコレステロール合成阻害剤であるAY9944(75mg/kg)を経胃投与した。対照群母獣には蒸留水を投与した。また、脳発達期にセロトニン(5-HT)合成が低下した場合、生後の5-HT神経がどのような影響を受けるかについて調べるため、5-HT合成阻害剤であるpara-chlophenylalanin(PCPA, 50mg/kg/day)を、SDラットに対しGD10~20の期間、腹腔内投与した。対照群にはSalineを投与した。AY9944投与母獣のコレステロール値は、GD12で対照群の48.6%、GD20で対照群の56.2%であり、投与後は中程度のコレステロール低下状態を継続していた。先天性にコレステロール合成酵素を欠損したマウスでは、5-HT神経系の過形成が報告されている。ところが胎生期AY9944曝露ラット脳で5-HT神経の免疫組織化学的観察を行ったところ、5-HT神経細胞数に変化は認められなかった。よって、中程度の低コレステロール状態では、仔の5-HT神経系の発達にそれほど大きな影響を及さないことが示唆された。また、PCPA曝露胎仔は脳内5-HTおよびその代謝産物、さらにドーパミンとその代謝産物の量が有意に低下していたが、成熟したPCPA曝露ラットでは全脳ではモノアミン量に有意な変化は認められなかった。しかし、高架式T字迷路試験によりConditioned fear(条件付け恐怖)を評価したところ、受動的回避行動が促進されていた。よって、胎生期の脳内5-HTおよびDA量の減少は生後の不安様行動に影響を与えることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] セロトニン神経系と脳発達障害2010

    • 著者名/発表者名
      福井義浩
    • 雑誌名

      分子精神医学 10巻

      ページ: 163-164

  • [雑誌論文] Alteration in anxiety-related behaviors and reduction of serotonergic neurons in raphe nuclei in adult rats prenatally exposed to ethanol2010

    • 著者名/発表者名
      Ohta K
    • 雑誌名

      Congenital Anomalies (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Reduced number of serotonegic neurons and behavioral changes in rats prenatally exposed to ethanol2009

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Sakata-Haga
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2009-09-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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