妊娠期の胎内環境影響因子が、次世代にどのような影響を及ぼすかについて、本年は炎症に関する成人病胎児起源説の検討を行った。これは妊娠トランスジェニックマウスを用い、炎症素因を父親由来または母親由来で持つと児へどのように影響するかを検討し、喘息や妊娠高血圧症候群のように次世代へ受け継がれる疾患の病態解明についての検討を行った。特に細胞性免疫との関連性についても検討を行い、これらの実績は、下記の各学会発表にエントリーし、採択された。特に妊娠高血圧学会においては優秀演題に採択され、学術奨励賞受賞し高い評価を得た。 平成21年1月に開催された米国周産期学会(米国サンディエゴ)に演題が採択され発表を行った。 平成21年4月開催の日本産婦人科学会総会にて採択され発表を行った。 平成21年6月に開催されたDOHaD研究会(三重)において招請講演採択され発表を行った。 平成21年8月に開催された妊娠高血圧学会(岡山)において採択され発表を行い、学術奨励賞受賞した。 また、上記の研究結果は平成22年7月日本周産期新生児学会総会でのシンポジストにも採択され、22年9月には小児高血圧研究会で教育講演を要請されている。以上より本研究は極めて注目されている分野であるとともに、研究結果においても十分な成果が得られている。今後、上記胎内環境に応じ出生した仔ラットにおいては、次世代の仔に対する検討についても研究項目の追加を予定しており更なる発展が予想される。
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