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2008 年度 実績報告書

脳室周囲白質軟化症発症へのプロゲステロンの関与とその抑制効果について

研究課題

研究課題/領域番号 20790777
研究機関大阪医科大学

研究代表者

山岡 繁夫  大阪医科大学, 医学部, 助教 (90434779)

キーワード脳室周囲白質軟化症(PVL) / progesterone (PROG) / oligodendrocyte / progesterone receptor / 子宮内感染 / 炎症 / LPS(lipopolysaccharide)
研究概要

我々は、「出生前の母体progesterone(PROG)濃度の低下が脳室周囲白質軟化症(PVL)の発症を惹起する」さらには、「未熟児or母体に対するPROGの投与によりPVL発症が抑制される」という仮説のもと、本年度の研究計画として新生児ラット大脳白質より取り出した未熟oligodendrocyteを初代培養し、虚血・再還流モデルにおいてPROGが(oligodendrocyteの分化を促進することにより)protectiveに作用するかどうかの検証を行っていた。しかし、preliminary studyではPROG投与群とコントロール群で明らかな差異は認められなかった。最近の研究で、未熟児に対するProgesterone補充療法ではPVLの発症を抑制できなかったとの報告があり、また、中枢神経系でのprogesteroneの作用発現はprogesterone receptorを介すること、胎生期のラットの脳ではprogesterone receptorは出生前に高発現し新生児期以後急速に低下することも示唆されている。これらより、progesteroneが無効であったのはprogesterone receptorの発現量の差異による感受性の違いがその原因として考えられる。PVLの出生前の発症リスクとして子宮内感染/炎症がその成因として近年注目されている。以上より、「子宮内感染/炎症により新生児ラット脳でのprogesterone receptor発現は低下し、PVLの発症を惹起する」という新たな仮説を立て、現在、妊娠ラットへのLPS(lipopolysaccharide)投与による子宮内炎症モデルラットを作製しラット胎児脳内progesterone receptor発現の変化を検証する実験を進めている。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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